Shadow Work 2018
マツリ・イノリ・オドリ テ 來タリ
秋田公立美術大学AKIBI-PLUS企画により、秋田県男鹿半島に10日間滞在して影絵作品を制作する。地元に住む人たちからリサーチしたお話をもとに、「オンガトンガ」という海に住む怪獣と娘の物語を作る。
「オンガトンガ」あらすじ
大海原の真ん中にオンガトンガという巨大な怪獣がいました。オンガトンガの背中には「トワ」と呼ばれる娘と、鹿と蛇が住んでいました。
ある寒い冬の日、一艘の舟がオンガトンガに漂着してきました。船には「アオ」と呼ばれる漁師が乗っていました。アオは海の向こうの王国で暮らしていましたが、戦争に巻き込まれて命からがら逃げてきました。トワはアオをオンガトンガに引き入れ、一晩泊めることにしました。
次の日オンガトンガの鳴き声に怖くなったアオは、オンガトンガから出ていこうと思いますが、船を無くしてどうすることもできません。すると偶然、アオはオンガトンガのトサカが船の材料にぴったりだということに気づきました。トワに許しを得て、アオはオンガトンガのトサカを手に入れ船を作り始めました。
来る日も来る日も船を作り続けるアオ。2ヶ月後、船はついに完成しました。完成した船にトワは船に魂を入れ、アオは船出しようとします。
それをみていた蛇が怒ってアオに襲いかかります。トワは蛇を岩に封じますが、蛇は龍神になって襲いかかってきます。龍神を止めようとした鹿は、オンガトンガの大口に落ちて命をなくしてしまいました。すると、鹿はオンガトンガと合体して大神さまとなり、龍神と死闘を繰り広げます。アオとトワはその戦いに巻き込まれ行方が分からなくなってしまいました。
その後、王国の調査団がオンガトンガを調査にきますが、そこにはただの島があるだけでした。海鳴りがオンガトンガの鳴き声のように響いていました。