福田うみやまこばなしvol2『お山の神と光る石』

会場 : 福武ハウス(香川県小豆島福田地区)

 

出演:川村亘平斎(影絵)

   石田多郎(音楽)オオルタイチ(音楽)

   ws参加者(影絵)

フィールドワーク : 16th~18th Mar 2021

パフォーマンス : 25th Apr 2021

昨年から始まった小豆島福田地区を起点とした影絵作品群『福田うみやまこばなし』のver2。2020年9月に影絵オムニバスを発表した際、現地のお年寄りに「メノウの洞窟」の伝説を聞く。かつて小豆島にあったお遍路道(小豆島八十八ケ所)の途中に、メノウ石が取れる洞窟があり、福田地区のお年寄りたちもその洞窟付近で昔よく遊んでいたそうだ。その洞窟には、盲目を治すと泉が湧くという伝説が残っている。「洞窟」「宝石」「泉」など、神話的な響きを持つキーワードに惹かれ、この伝説をもとに新作を作ることにした。今作では、クラウドファンディングを行い、島の外からの協力もいただいた。

 

3月に「メノウの洞窟」を探しに行くフィールドワークを行う。かつては島民の生活路であったお遍路道だか、最近はほとんど使われなくなり、ジャングルのようになっていた。「メノウの洞窟」でかつて遊んでいたという宮本さんら数人のお年寄りたちを先頭に、ウバメガシやシダが鬱蒼と生える獣道を鎌で薙ぎ払いながら進んでいくと、途中から「遍路道」の小さな札印が出てきたり、お地蔵さまに出会ったりする。さらに進んでいくと大きな絶壁。ところどころに洞窟のような穴がいていて、落ちている石を砕くと中が黄色い。「メノウ石」だった。

 

小豆島は古くから採石の島として知られている。また、小豆島八十八ケ所には洞窟寺院も数多く、小豆島全体が大きな「岩」である。もしかすると、「メノウの洞窟」をふくむ小豆島中の洞窟群が、地底で一つにつながっていたならば、どんなことがおこるだろうか?古事記に登場する「根の国」のイメージも引用しながら、以下のような物語を制作した。

『お山ノ神と光る石』

ある日、福田の入江にいた亀が、溺れていた娘を助けた。娘は盲目だった。娘の目が見えないことを不憫に思った亀は、島の動物(うなぎ、へび)の協力してもらい、山ノ神(岩永姫)へどうやったら目が治るか聞きに行く。

 

山ノ神曰く

「山の中腹にある『メノウの洞窟』に入り、そこにある泉で目を洗えば、お前の目は治る。一つだけやってはいけないことがある。洞窟に転がっている石を持って帰ってきてはいけない、洞窟は「根の国」に繋がっていて、洞窟の中にある石たちは島の魂だ。もし、その魂を動かそうとすると、二度とこの世には戻ってこられない。」

 

蛇に誘われ、娘は『メノウの洞窟』に辿り着く。泉で目を洗うと、たちまち娘の目は見えるようになった。あたりを見渡すと光り輝く宝石たち。娘は山ノ神との約束も忘れて宝石を一つ手に取ってしまった。島の魂たちが怒り出し、娘に襲い掛かるが、辛くも逃げ切る。

 

洞窟から一緒に逃げてきた蛇は、娘に話しかけるが、目の治った娘は動物の言葉がわからなくなり、蛇を恐れて逃げていってしまう。悲しむ蛇に、山ノ神は慰めの言葉をかける。

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