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Shadow Work 2018

スキマチイワキmeeting vol.14
テッペンカケタカ
〜綱木・クマガイソウの物語

いわきアリオス×SEA WAVE FMいわき企画「スキマチイワキ」で、福島県いわき市田人にある綱木集落にて影絵制作。

 

故人である村の男性が、奥様が亡くなられたことをきっかけに裏山に野草「クマガイ草」を植えた。何年にもわたり株分けを続けた結果、3万株(非公式には5万株とも言われている)を超える花畑になり、小さな集落に観光客が集まるようになった。

 

このクマガイソウにまつわる物語を製作するため、2018年3/16〜20まで綱木集落で調査。村に伝わる伝承とご神木の桜の木の物語を中心にクマガイ草が植えられた由来を想像するファンタジーを制作。5/6いわきアリオス、5/7に綱木集落にて公演。

あらすじ------------

綱木の村に住むホトトギスの文太は、山の神から頼まれごとをする。

 

「綱木の村に植えられていた桜のご神木が倒れて久しい。新しいご神木が必要だ。」

 

ホトトギスの文太最近奥さんを亡くした村人のナガオさんに新しいご神木を植えるよう伝えるが、ナガオさんや村人たちには文太の言葉が「テッペンカケタカ」としか聞こえない。困り果てる文太は、昔桜の木が植えられたことを回想する。

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昔々、綱木の村で大きな火事があった。村人たちだけでは消せないほど大変な火事だったので、山の神は近くのタケガラ山に住む天狗に頼んで雨を降らせ、なんとか火を消し止めた。しかし、かわいそうなことに村に住んでいた娘が、この火事で両親を亡くしたどころか顔に大火傷を負ってしまい家に引きこもってしまう。ホトトギスの文太は、山の神に

「大きな桜の杖を持つ聖が火傷の娘を救うから連れてこい」

と頼まれる。四国から旅をして来たその聖は、文太に誘われ娘の家まで来るが、娘は火傷の跡を見られたくないと家の戸を閉ざしたままである。聖はタケガラ山の天狗に相談に行き、山の神の居場所を教えてもらう。聖が山の神の住処で瞑想すると、地面が光りだす。聖は持っていた桜の杖で光る地面を掘るとそこから美しい泉が現れた。娘は泉の水を浴びると、火傷が跡形もなく消えてしまった。聖は桜の杖を泉の印としてそのまま置いて村を去って行った。村人たちは泉のあった場所に井戸を作った。聖が植えていった桜の杖が大きな桜の木に成長し、井戸のご神木となった。

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ぼんやりと昔のことを思い出している文太のところに、ナガオさんが戻って来た。亡くなった奥さんが裏庭で育てていたクマガイ草をたくさん抱え、桜の木があった森〜山の神が暮らしている場所〜植え始めた。ホトトギスの文太は自分の言葉が通じているのかと思ってナガオさんに呼びかける。テッペンカケタカ、テッペンカケタカ

テッペンカケタカ 綱木の村の

熊谷草の 山の中

聖 杖つき 桜が 咲いた

井戸のお印 ご神木

山の神さま 喜んで

見渡す限りの花畑

テッペンカケタカ 綱木の村の

熊谷草の 山の中

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